開催中の特別展

会期 2021年 5月 25日(火) ~ 2021年 10月 25日(月)
※ご好評につき会期延長となりました!

ヴェネツィアは、アドリア海最深部のラグーナ(潟)の上に築かれた、運河が縦横に走る水の都です。約5万㎢にもなるラグーナは、“ヴェネツィアとその潟(Venice and its Lagoon)”として1987年に世界遺産に認定されています。また、ヴェネツィアのラグーナには多くの島が点在し、小さな森や水辺に様々な鳥や昆虫が生息しています。
海に囲まれたラグーナの島々で生まれ育ったガラス作家達は、ラグーナや海、自然と関わりが深い生活環境の中で過ごし、そこから創作の着想を得て生まれた作品は、生物の特徴をとらえ、本物以上にリアルな表現や独自のクリエイティブな発想が感じられます。
本展では、ヴェネツィアガラスの伝統を現代に受け継ぎ発展させてきた“ヴェネツィアガラス界の巨匠”によって制作された、海の世界、森の世界の生き物たちを2部構成で展示致します。3階の第1部では、巨匠アルフレード・バルビーニ、ピノ・シニョレットによる「海の生物」、5階の第2部では、ヴィットリオ・コスタンティーニによる「昆虫・鳥」の繊細でリアルな作品の数々をご紹介致します。ヴェネツィアガラスの伝統的な技法を駆使し、ヴェネツィアをとりまく豊かな自然からインスピレーションを受けた色鮮やかで美しい作品を、どうぞご堪能下さい。

※最終日の2021年10月25日(月)は16:00閉館となります。(最終入場は15:30まで)

展示作品のご紹介

作家紹介

アルフレード・バルビーニ/Alfredo Barbini(1912~2007)
1912年、ヴェネツィアのムラノ島で200年以上続くガラス職人の家に生まれた。
修行を積んだ後、22歳でマエストロ(ガラス職人最高の称号)の地位に つき、その後も色々な工房に参画し、独創的な作品を次々と生み出した。
彫像作品を最も得意とし、海の生き物の世界を生き生きと表現したガラスの水槽シリーズを始め、洗練されたデザインの花器など作品の種類は多岐に渡る。その色彩と形の絶妙なバランスから国際的な評価も高く、現代美術の祭典であるヴェネツィア・ビエンナーレでビエンナーレ賞を受賞したほか、数々の輝かしい賞を得ている。また、ヴェネツィアのドゥカーレ宮殿で個展を開くという大変な名誉を授かっている。現在までドゥカーレ宮殿で個展を開いたのは、同じく20世紀最高峰の巨匠といわれるアルキメデ・セグーゾとバルビーニの2人のみとなっている。

ピノ・シニョレット/Pino Signoretto(1944~2017)
ヴェネツィア生まれ。「自然とはそれ自体が芸術である」と考え、自然界にあらゆる美を見出し、様々な具象や生き物などをガラス作品として表現してきた。
幼い頃よりガラス工芸に親しみ、14歳でガラス界の巨匠アルフレード・バルビーニの工房に弟子入りしたピノは、自分の時間のほぼ全てをガラス制作の技術習得に費やし、弱冠17歳にしてガラス職人最高の称号<マエストロ>の地位を得る。ガラスで等身大の人物や馬を制作するなど大型造形を最も得意とし、ピノが制作した『世界一大きなガラスの馬』はギネスブックにも登録されている。
とりわけ『命』が備えている美しさにこだわり、独自の解釈とイマジネーションを加え、作品へと昇華させている。

ヴィットリオ・コスタンティーニ/Vittorio Costantini(1944~ )
レース編み工芸で有名なヴェネツィアのブラーノ島出身。幼少期から父親と一緒に漁に行く機会が多く、ラグーナで出会った小さな生き物たちに強く関心を持つようになる。
ガラスの棒をガスバーナーで熱しながら形作るランプワーク技法により、魚や昆虫、鳥など自然界の小さな生き物たちを題材に繊細で美しい作品を作り出すその技術や才能は、ブラーノ島の海や自然と密接に関わる生活環境や、繊細なレース編み工芸の伝統、また島中に溢れる鮮やかな色彩の影響が色濃くうかがえる。
現在では、世界各国の美術館や博物館、大学などからも要請を受け制作を行っている。