春、夏、秋、冬 ―――
ヴェネツィア貴族の四季折々の優雅な暮らしをご紹介するため、季節ごとに年4回の展示替えを行なっています。

冬のテーブルコーディネート

金彩に煌めくディナーテーブル

グラスやデカンタの表面には、エナメル彩技法と金彩(24金)によって、きらびやかな模様が描かれています。中央の皿には、金色に輝くガラスで作られたブドウやイチジクなどの果実が豪華に盛られています。テーブルクロスは、100年以上前のボビンジャカード織機で織られたハンドメイドで、機械織りには再現できないふくよかな質感が特徴です。
冬の味覚を味わう貴族たちの豪華な宴が連想されるディナーセットからは、今にも楽しげな会話が聞こえて来るようです。

冬のコーヒーテーブル

暖かみのある赤色が美しいコーヒーのセッティングです。コーヒーカップは20世紀初頭に作られた形状で、ヴェネツィアで大流行したコーヒーの習慣を現在に伝えています。花器はカメオガラスと言われ貝などに彫刻をするカメオ技法と同じ方法で、「守護天使ガブリエルが聖母マリアヘ受胎告知する場面」が繊細なタッチで彫り込まれています。深い青色のガラスの上に乳白色のガラスを被せ、ダイヤモンドを使用したペンで、細かな質感まで丁寧に作られています。
ヨーロッパで初めてヴェネツィアにコーヒーが伝わったのは17世紀のことでした。当初は眠気を覚ますための「黒い水」として、薬局で薬のように売られていました。18世紀にサンマルコ広場に登場したカフェ・フローリアンは、現在でも人々の生活に欠かせないものとして愛され続けています。

金と赤に輝く冬のディナーテーブル

グラスやセンターピース、キャンドルスタンドなどに、華やかな金箔装飾が施されています。金箔装飾はローマ時代にも行なわれていた技法で、半溶融状態のガラスに金箔や金粉をつけ、ガラスに溶着させたものです。息を吹き込むとガラスの素地と一緒に金箔が細かく散らばり、とても華やかな効果を得ることができます。
ヴェネツィアンレッドのバラの装飾をアクセントに、金と赤に輝く優雅なテーブルセッティングが、冬にふさわしいディナータイムを演出しています。

天使が微笑むディナーテーブル

テーブルを華やかに彩る食卓のグラスやキャンドルホルダーには、天使や獅子の姿が描かれています。天使はイタリア語の「愛」を意味する「Amore(アモーレ)」と語源の近い「Amorini(アモリーニ)」と呼ばれ、「幸せ」や「人生の楽しみ」を表し、建築の装飾や絵画のモチーフとして親しまれてきました。また、翼のある獅子は、ヴェネツィアのシンボルとして現在もヴェネツィアの街の様々な場所で目にすることができます。グラスはカップの部分が八角形になっており、18世紀頃に上流階級の人々が好んで使用していたものです。脚の部分にある丸い飾りは、オリーブの実をかたどっています。

冬のチョコラータテーブル

「チョコラータ」とは、チョコレートを溶かして作る甘い飲み物です。貴族が朝の目覚めに、飲む習慣があったほど、17~18世紀のヴェネツィア貴族の間で流行していました。
こちらのテーブルセッティングは、チョコラータを飲むためのセッティングで、赤色のカップが冬の暖かな室内を演出しています。また、テーブル上のプレートには、布レースが敷いてあるように見えますが、実際はエナメル彩という技法によって繊細なレース模様が描かれています。

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