春、夏、秋、冬 ―――
ヴェネツィア貴族の四季折々の優雅な暮らしをご紹介するため、季節ごとに年4回の展示替えを行なっています。

夏のテーブルコーディネート

バラが彩る夏のテーブル

グラスやセンターピースの底部分には、夏に美しい花を咲かせるバラが施されています。バラの花を表現しているピンク色のガラスは、純金を溶かして原料に加えることによって作られる最も高価で美しい「RUBINO(ルビーノ)」と呼ばれる色です。
イタリアでは4月頃よりバラが咲き始め、6月には見ごろとなります。その美しさは万国共通で「気品のある愛の花」と言われエレガントな印象が強くありますが、イタリアのバラは夏の太陽をいっぱいに浴び、ダイナミックな大輪の花をつけます。優美で煌びやかなヴェネツィア貴族のディナーシーンを一層引き立てる華やかな印象のディナーセットです。
17~18世紀の貴族にとってディナーは交流の場として重要な役割を果たしており、毎日のように客人をもてなし、楽しんでいました。

夏のコーヒーテーブル

夏らしく涼しげな色合いのコーヒーのセッティングです。コーヒーカップは20世紀初頭に作られた形状で、ヴェネツィアで大流行したコーヒーの習慣を現在に伝えています。
花器はカメオガラスと言われ、貝などに彫刻をするカメオ技法と同じ方法で涼しげな水辺の情景が繊細なタッチで彫り込まれています。アクアマリン色のガラスの上に乳白色のガラスを被せ、ダイヤモンドを使用したペンで、ワシの羽の細かな質感まで丁寧に作られています。

イルカの遊ぶ夏のテーブル

グラス類や食器、センターピースなどに、ヴェネツィアの海の象徴「イルカ」のモチーフが使われています。海洋王国ヴェネツィアでは、中世よりイルカの他にも魚や貝殻、舟など海に関連するものがモチーフとなったガラス器が盛んに作られました。

涼やかなレースガラスのテーブル

テーブル上のシンプルな筒型のグラスは、18世紀のヴェネツィアで一般的に広く用いられていた形状です。このグラスにはレースガラス技法の中でも高度な“泡入り網目線状模様”が入れられています。その名の通りよく見ると、レースの模様が表現されたグラスには規則的に並ぶ網目の中心に気泡が見えます。この気泡でわずかな突起ができ、グラスの表面に光の反射が起こりシンプルなグラスのデザインに輝きをもたらしています。

夏のチョコラータテーブル

「チョコラータ」とは、チョコレートを溶かして作る甘い飲み物です。貴族が朝の目覚めに飲む習慣があったほど、17~18世紀のヴェネツィア貴族の間で流行していました。
こちらのテーブルセッティングは、チョコラータを飲むためのセッティングです。また、テーブル上のプレートには、布レースが敷いてあるように見えますが、実際はエナメル彩という技法によって繊細なレース模様が描かれています。

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